プリウストラック

今は昔、プリウストラックというブームがあった。


トラックというか、土木業界には乱雑で、土臭く、時代の後追いをしているというイメージを持たれがちだった。

社会には必要不可欠な仕事、年収だって悪くないのに、

なかなか若者が就職しようとしないから、土木業界では人手不足が悩みのタネだったという。

ある時、プリウストラックという時代の先駆け商品を使って、そのイメージを払拭した会社がある。


土木業界では中堅どころの会社が、自動車メーカーに企画を持ちかけて、とびっきりのハイブリッドトラックを開発した。

プリウストラックと名付けられたその大型トラックは、もちろん燃費は抜群、デザインをとびっきり洗練させたから、

それまでのトラックのイメージを打ち破った。

ネットCMで、そのプリウストラックに乗って仕事をする様を流したら大変。

「土木のお仕事のイメージが変わった!」「斬新な企画ができそう!」

そんな声が寄せられて、その会社には就職希望者が殺到したという。

 

 

 


プリウストラック人気にあやかろうと、運送業界や建築業界でもプリウストラックを採用する会社が急増した。
それでプリウストラックはますます世間に認知されていって、トラックなんて野暮ったいイメージしかなかったのに、

まるでガンダムのようなモビルスーツを操作する憧れの感覚で、プリウストラックの人気は盛り上がるばかりだった。
プリウストラックのクリーン&グリーンさは、いつまでもハイブリッド化されない航空機なんて比にならない。


大きな機械を操作したいと思うのは、いつの時代でも男の子の夢。
現実的に操作できて、かっこよく、エコの理想に近いのがプリウストラックだったから、2010年代後半の男の子の夢は、

「いつかプリウストラックを乗りこなす」だった。

 

車にはファッション性もあるよ、

プリウストラックはファッション性が薄いと思われていたトラックにも、洗練されたデザイン性を加えてくれた

 

今は昔、そんなプリウストラックの栄光のお話。

 

 




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